5月12、13日、2年ぶりに待ちに待ったひの新選組まつりが開催されました。

両日とも天気に恵まれ、特に13日はこの時期としては珍しく、浅川の土手には残雪をいただいた富士山までもが姿を見せてくれていました。

本来ならば、全て順調に「新選組のふるさと日野」を満喫していただけるはずでしたが、ご存知のとおり、高幡不動での隊士パレード真最中、会場の一つである煉瓦ホール（日野市民会館）に爆発物を仕掛けたという脅迫電話があり、隊士パレードのフィナーレを飾るはずだったメイン会場は午後に行う予定だった催しを全てキャンセル、パレードも急きょ縮小して行う次第となりました。

この日のために遠方から来られた方、また、メイン会場に出店された方、今日の出演のために練習を重ねてこられてきたみなさん、そして、まつりを楽しみにされていた観客のみなさまに多大なご迷惑をおかけしてしまったことを、お詫び申し上げます。

その上でみなさんにお伝えしたいことがあります。

15回を重ねた「ひの新選組まつり」で、昨年の大震災による中止は止むないとしても、今回のような事態は始めて経験することでした。

この混乱する状態を冷静に受け止められ、さらに変更はあったものの、まつりを終わらせるだけでなく、充実感を持って成し遂げられたのは参加された隊士の方と応援していただいた観客のみなさまのおかげでした。

ありがとうございました。

午前中の高幡不動に続き、午後に行われた「日野パレード」も最悪中止に追い込まれる状況において、出発地の日野第一小学校に参集した、900名あまりの隊士を前に今年の「ミスター土方」がコース縮小を受けて激した言葉は、まつりの域を越え参加者の心に伝わりました。

「雨で中止になることもあるではないか。それに比べれば、パレードができるのだ。短くなった分、余計に力を注げるではないか」、と。

下は保育園の園児から、年配者まで、新たに加わった歴装隊のみなさんも、その言葉に異論はありませんでした。

誰もが晴れ晴れと、そして力強くパレードに望んでくれました。

この不幸な出来事は新しい出会いを運んでくれました。

日野からパレードに参加された歴装隊のみなさんは本来ならば、いなげや前で解散、その後はパレードに加わるか、高幡不動尊方面への小旅行が計画されていました。

でも、この事態を受けて、「隊士」として最後までまつりに加わり、その上、予定にはなかった「歴装隊」としてパフォーマンスも披露していただくことができました。

また、土方歳三をはじめとする、「新選組隊士」や観客のみなさんと交流する時間ができたことは、予期せぬ贈り物となったはずです。

幸いにもいたずらと判った爆発物ですが、その威力は新選組のふるさと日野に住むわたしたちに、あまりにも身近すぎて忘れかけていたことを思い出させてもくれました。

日野は確かに、土方歳三、井上源三郎が生まれ、名主であった佐藤彦五郎が開いた道場が縁で近藤勇との友好を結び、結果として、「新選組」が産まれた地です。

そのふるさとに集まってもらう「イベントとしてのまつり」に重きを置き過ぎていたことは否めません。

ですが今回、参集してくれた隊士のみなさんの不幸な事態に対した時の対応と熱意と新選組にたいする思いを眼にし、改めて日野は「新選組」のふるさとであることによって、幸せなことに全国のみなさんと集える場を与えられている、との思いを深くしました。

そして、新選組はまだ活きていると。

深い想いでを残してくれた第15回ひの新選組まつり、13日パレード、隊士のみなさんの勇姿をご覧下さい。

パフォーマンス

滝野川新選組がパフォーマンス大賞。歴装隊のみなさんも急きょ参戦。そろって勝鬨をあげました。

時間たっぷり、いなげや前では

ミスター土方と記念写真